みみ・はな・のど 病気解説

ムンプス難聴

流行性耳下腺炎(おたふく風邪)はムンプスウイルスの感染で3~16歳に好発し、しばしば成人にも感染します。発熱とともに耳下腺や顎下腺が腫れます。
腫れの大きさや、両側か左右どちらかかについては個人差があります。
通常1週間ほどで症状は軽快しますが、まれに合併症として髄膜炎、脳炎、膵炎、睾丸炎、卵巣炎、迷路炎などをおこすことがあります。
迷路炎によって起こる難聴を「ムンプス難聴」といいます。

ムンプス難聴を発症した場合、突発性難聴に準じた治療(ステロイド投与など)を行いますが、多くは聴力に改善がみられず片耳の高度難聴となってしまい、その後の回復は期待できません。

ムンプス難聴は片側におこることがほとんどのため、症状を適切に訴えられない幼少児では日常生活に不自由を感じず周囲にも気づかれにくいのです。(幼い時に難聴となり、小学校の聴力検査で発見される場合もあります)
難聴の発生は耳下腺の腫れの強さとは無関係で、耳下腺が腫れない不顕性感染(症状を発症せずウイルスに感染)でも難聴が発生することがあります。


ムンプス難聴の発症率

  • 近年の報告では、「単一施設では、100~500ムンプス罹患に対して1件の難聴発生」と高率に発症することがわかっています。

ムンプス難聴の唯一の予防方法は、ムンプスワクチンを接種し流行性耳下腺炎に感染するのを防ぐことです。難聴以外の合併症を防ぐためにも積極的なワクチン接種をお勧めします。

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