みみ・はな・のど 病気解説

耳管開放症

嚥下やあくびの時にだけ開く耳管が常に開いている状態になることでおこります。

耳管が開きっぱなしになると、空気や声が筒抜けるので、耳に膜が張ったような閉塞感、自分の声や呼吸音が耳に響く(自声強調)などの症状が出ます。

疲労・ストレス・無理なダイエットなどが原因で耳管の入り口周囲が痩せることで症状をおこすことが多く、妊婦さんや高齢者にもよくおこります。
小児期に中耳炎を頻繁に繰り返した方の後遺症としてみられることもあります。

聴力検査をしても正常であることが多いため、耳鼻科を受診しても気づかれにくい病気です。
診断のために、鼓膜を観察しながら深く早い鼻呼吸をしてもらうと、鼓膜が紙風船のようにペコペコと膨らんだり、しぼんだりする様子が観察できるのが特徴の一つです。また症状があるときに深いおじぎをしてもらい、症状が改善するか確認する方法もあります。

当院では、耳管開放症と診断された患者さんの耳管開放部に薬を塗布する治療を行ったり、右記の生活上の注意事項をお話ししています。
鼓膜にテープを貼付することで症状をコントロールする場合もあります。
薬物療法(漢方薬や抗不安薬の内服)を行う場合もあります。

難治例には耳管周囲への脂肪・アテロコラーゲン注入や耳管ピン挿入などの外科治療もありますが、あまり一般的ではありません。


日常生活では

  • 痩せを予防し、改善しましょう。
  • 可能であれば、長時間の歩行や立ち仕事を避けることもお勧めします。
  • 水分補給も有効です。

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