みみ・はな・のど 病気解説

アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎をはじめとして、気管支喘息、アトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患は年々増加しており、最近では罹患している人口は国民の3割を超えると言われています。その原因は明らかではありませんが、抗原(ダニやハウスダストなど)量の増加と考えられています。

アレルギー性鼻炎の症状

発作的にくしゃみを連発して、続いて水っぱながたくさん出て鼻がつまります。この発作は一日の中でも朝に多いのが特徴です。

通年性アレルギーと季節性アレルギー

通年性とは、一年中室内にあるものが原因となるアレルギーで、主にハウスダストやダニ、あるいはペットの毛・フケなどが原因となります。
これに対し季節性の大半はいわゆる花粉症です。

札幌市近郊の場合

・3~4月のハンノキ
・5~6月のシラカバ(花粉量が最多)
・6~7月のカモガヤ(イネ科の牧草)
・8~9月のヨモギ
などが特に多く見られます。


アレルギー性鼻炎の診断

鼻鏡検査
鼻の中を見る検査です。典型例では鼻の粘膜が蒼白になり、浮腫状(水っぽく)に腫れます。

X線検査
アレルギー性鼻炎に副鼻腔炎を合併することがよくあります。(特にお子さんの場合)

鼻汁好酸球検査
最も基本的な検査で、搾取した鼻汁をスライドグラスに塗ったものを染色して顕微鏡で見る検査です。
鼻炎がアレルギーで起こっていれば、鼻汁の中に好酸球という炎症細胞がたくさん認められます。

抗原検索
アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)を調べる検査です。大きく分けて皮膚の反応を見る検査と血液検査があります。
前者は腕の皮膚にごく小さな傷をつけてその上に抗原の液を垂らします。陽性の時は痒くなったり、蚊に刺されたような膨らみが出ます。15分程で結果が分かり、しかも血液検査に比べ費用も1/4程度で済みますが、当院に検査液があるものしか調べられません。無痛ですので、小さなお子さんでも十分検査可能です。これに対して後者はやや検査費用が高めですが、殆どのアレルギーの有無を調べられます。

アレルギー性鼻炎の治療

治療の第一歩は何と言っても抗原を吸い込まないようにすることです。こまめに掃除をして家の中の埃を減らす、湿気を無くす、ダニの生活しやすい絨毯や畳、布製のソファなどを取り外すなどです。また、布団やベッドのマット、枕などにカバーをかけるのも有効です。

薬物療法
昔から抗ヒスタミン薬がよく使われており、最近では眠気の副作用が無いものもありますが、効き目もマイルドで連用により効果が上がります。また、鼻炎の症状で一番取れにくい鼻のつまりには拮抗薬やステロイドの点鼻薬が用いられます。長期に連用しても重症な全身への副作用の心配もありません。その他に鼻の粘膜を収縮させて、つまりを改善させる成分の入った内服薬も登場しています。

アレルゲン免疫療法
経口の免疫治療のお薬(SLIT:舌下免疫療法)がここ1~2年程で発売され、一日一錠を舌下に含み飲み込みます。アレルギーの治癒・寛解が期待でき、実際に効果も確認されていますが、最低3~5年続けるとことが推奨されます。また軽度ながら副作用(舌下や喉のかゆみ・腫れなど)が起こりえることと、中には効果の無い方が1~2割程度います。
現時点で12歳未満のお子さんには使えません。

手術療法
電気凝固法、レーザー手術など鼻粘膜の腫脹を軽減しアレルギー反応を起こりにくくするもので有効な治療法ですが、永久的に治してしまうものではありません。詳しくは「アレルギー性鼻炎のレーザー治療について」をご覧ください。

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