副鼻腔真菌症
副鼻腔真菌症は重篤な症状を呈する浸潤性と非浸潤性とに大別されますが、前者は稀で日常よく目にするのは殆どが後者です。
慢性”非浸潤性”副鼻腔真菌症
症状は膿性鼻漏、顔面痛、後鼻漏、鼻閉、頭痛、鼻出血などで通常の治療ではなかなか症状が改善しません。
CT撮影すると副鼻腔周囲の骨肥厚や洞内の石灰化を伴う軟部濃度陰影を認めます。
治療は一般的な副鼻腔炎と同様の内視鏡下手術が行われ、抗真菌薬の投与は殆ど効果がありません。
慢性”浸潤性”副鼻腔真菌症
ステロイド、免疫抑制剤、抗がん剤などの使用により免疫が低下した患者さんで日和見感染として生じます。鼻脳型ムコール症や電撃型アスペルギルス症など急性浸潤性の場合、真菌が血管内に入り込み、周辺臓器の壊死性感染を引き起こすため副鼻腔から眼窩、海綿静脈洞、頭蓋内へ浸潤し致死的となる恐ろしい病気です。
またアレルギー性真菌性副鼻腔炎と言って、好酸球性副鼻腔炎と類似したニカワ状の鼻分泌中に真菌を認め、真菌特異的IgEが高値となる疾患も注目されています。