ワンポイントアドバイス

中耳炎・副鼻腔炎の時のスイミング及び入浴について

幼稚園や学校でのプール授業が始まると質問を受けることが多くなります。つまり「今の病状でスイミングは可能ですか?」といったものです。中には答えに窮するような例も稀にありますが、なるべくお子さんの学習の妨げにならぬ様に、現状に即してお答えするように努めています。

個別にはお答えできませんが、なるべく以下の説明を参考にしていただければ幸いです。
一般的に急性中耳炎の時には、身体が温まるような行動(入浴、激しい運動、飲酒など)は2~3日避けるのが賢明です。急性期症状が落ち着いたら入浴は可能で、またシャンプーは鼓膜に穴があいていない限りは差し支えありません。またプールに入ることも勧められません。鼓膜に穴の無い場合でも水泳で息継ぎの時に必ず水が鼻、鼻咽腔、咽頭に入ってきます。塩素系の消毒剤の入ったプールの水は鼻や喉の粘膜にとって決して良い作用はしませんので、中耳炎や副鼻腔炎の治りを遅らせるだけです。

中耳炎で鼓膜切開後やチューブ挿入中の耳では、防水機能の耳栓装用をお勧めしています。チューブ挿入中の洗髪などはそれ程神経質になる必要はないでしょう。水泳の場合には深い潜水や高い所からの飛び込みの際、耳栓をしていても外耳道から中耳腔への水の侵入の可能性があり、さらに上咽頭圧が上昇することで水を飲んでしまい耳管経由で中耳腔に達する可能性もあり、中耳炎悪化の原因となりますので注意が必要です。

次に副鼻腔炎の場合ですが、プールに入ると通常鼻水が多くなる傾向があります。これはプールの塩素剤が刺激となって鼻粘膜が障害されるために起こるものであったり、鼻のアレルギーを合併してる場合プールの水自体による刺激で生じたり、あるいは水中のゴミがアレルゲンとなってアレルギー反応が起こると考えられます。副鼻腔炎で痛みや膿性鼻汁、鼻閉、頭重感などの急性症状がある際は控えたほうが良いでしょう。

アレルギー性鼻炎を合併している場合にはスイミング前後に抗アレルギー薬の点鼻薬を使用することも大切です。いずれにせよスイミングの前後ではよく鼻をかむことが大事で、 スイミング中は定期的に耳鼻咽喉科での診察を受け、その時の耳・鼻の状態によりスイミングを中断するか否かを判断してもらいましょう。

お子さんからご高齢の方まで

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